バックオフィス人材の副業マッチングサービス「フクム」を始めました
とてもお久しぶりです。
theLetterの管理画面を開いてみたら前回の配信は2024年6月でした。
こんなに時間経ったのか....と思いつつ、この1年間でものすごく大きな変化があったので色々報告させてください。
バックオフィス人材向け副業サービス「フクム」をリリースしました
まずはこれです。わかりやすく宣伝ですね。
1年前の配信で「とにかく勝負してみたい領域が1つあり、そこに専念するために配信活動は一旦お休みとさせてください」と言いましたが、フクムの開発に取り組んでいました。
今までITコンサルをやってたのにどうして急にこんなことやり始めたん?って感じはあると思います。
実際、先日久々にかつての同僚と話すタイミングがあったのですが「コミさんが何か仕込んでるのは知ってたけど、まさか人材系の事業で勝負してくるとは思わなかった」と驚かれました。
ここらへんの経緯は先日noteにも書いたのですが、一応こちらでもざっくり説明させてもらいます。

自分は元々K Squadという小さな法人をやっていて、社員は1人だけ、プロジェクトが発生したら友人に副業(業務委託)として入ってもらってプロジェクトチームを組んでクライアントワークにあたるという動き方をしていました。
まあそれでぼちぼち稼げていて、ラッキーなことに大企業相手に仕事ができていて実績もどんどん積み重なっており、当時26-27歳くらいにしてはだいぶ経済的に余裕がありました。
割と成果も出せていて、すごく感謝されるしアップセルだとかもぼちぼちあるという具合です。
そんな中、ひとつ悩んでいたのが「ずっと自分が動かないとダメなビジネスモデルなのでは?」というポイントです。
というのも、K Squadという会社で行っていたITコンサルという事業は「小南佑介」という究極的に強い看板が存在していて、自分が直接動くことにより高単価になっていて、そこに利益の源泉があるというモデルでした。
ただ、もし自分が事故に遭って半身不随になりました、みたいなことになると途端に売上は半減どころかほぼゼロです。
こうした属人性の強いビジネスモデルは果たして持続的なのか?ということに疑問は持っていました。
恐らくこのメルマガの読者はエンジニア関係者が多く、フリーランスで独立して...ということは一定見据えていると思います。
独立直後ってサラリーマン時代に比べると以上に稼げるし最初は満足なんですが、恐らく途中から上記のような不安に駆られると思います。
なんなら現在進行形とそう感じている人もいるんじゃないかなと。
で、そんなわけで属人性が強くないマネタイズ手法を模索し始めました。
最初はITコンサルの中でエンジニア採用支援とか研修的な業務も一部あったので、そこを教材化してみるのはどうかなと。
他にも、教育体制を拡充して多少クオリティを落としてでもITコンサルを組織化できるかも考えました。
まあここらへんはだいたい諦めました。我々はアクセンチュアにはなれないからです。
営業力も資金力もない我々はこの道は茨の道だと判断しました。
モヤモヤしていた矢先、スタートアップ経営者の連中と飲むタイミングがあり、そこでバックオフィス体制の話になりました。
当時(というか今も)K Squadはバックオフィスを自分と副業メンバーでタッグを組んで回しているという状況で、SaaSなりBotを作ったりなどで経理業務などはかなり効率的に回せている自負がありました。
そうした話を周りにしたところ「あ、バックオフィスって副業でいけるんだ。副業っていうとエンジニアとかデザイナーを思い浮かべてたわ」なんて言われます。
ここで「バックオフィス人材の副業活用」というのが世間的に一般的ではないことを感じました。
このドメインをもう少し深掘りしてみようと思い、バックオフィス人材側にもリサーチをかけてみたところ以下のような課題感があることに気づきます。
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バックオフィスというドメインはミスなく業務を遂行できることに価値が置かれているため、新しいことに挑戦しにくい。
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当然、昇給もしにくい。月5万円の昇給に6-7年かかるのもザラ。
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将来CFOなどになりたいが、業務フローをゼロから構築するみたいな経験ってなかなかない
このお金の部分について、スタートアップ側には以下のような事情があります。
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一人社長で会社をやっているが、フロントオフィス(営業等)に時間を割きたいものの不慣れなバックオフィスに時間を取られている
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誰かにバックオフィスやってもらいたいが、資金的に正社員を雇うのはキツい
ここに需要と供給がマッチするポイントがあるのでは、と感じました。
ビジネスモデルとしてはものすごくシンプルな人材紹介ですが、バックオフィス×副業というドメインは意外と競合が存在せず、多分飛び込んでみたら一定は伸びそうかなと思い、早速プロダクトの開発と検証に着手することへ。
プロダクトにおいて特に注力したのが、とにかく「頭を使わずに使えるUX」です。
具体的にどうしたかというと、世の中の求人系サービスでは自身の情報を登録する画面で「自己アピールを800文字以内で書いてください」みたいなのが一般的です。
そんな重厚長大な文章、書く方も読む方も嬉しくないですよね。
というわけでエンジニア向けサービスではスキルタグを登録するという概念をバックオフィスに持ち出すことにしました。
「Python」とか「Ruby On Rails」みたいなタグのノリで、「決算仕訳」とか「株式事務」みたいなのを登録してもらう具合です。

こうした人材の持つスキルというのを構造化しておくことで比較も簡単になるだろう、という極めてエンジニア的な発想です。
他にもFindyや転職ドラフトなどで見かける偏差値だとか推定年収みたいなのも搭載しました。
とにかくエンジニア業界で一般的なUXを別ドメインに持ってくるだけでもかなりの斬新性が出るのでは?という頭の使い方をしています。

こうした機能を載せ、最初のMVPとして小さな小さなプロダクトを2024年11月に出しました。数ヶ月前の話です。
PR Timesにポンとリリースを打っただけで大して宣伝活動は行なっていなかったのですが、なんとリリースからたった数日で人材が50人程度登録してくれたのです。
ユーザーリサーチをかけてみたところ、このエンジニア的発想の機能群は極めて好感触で、この具合で職務経歴書とか作れると最高だよね、なんて声ももらうようになりました。
さて、人材が集まったので後は法人に営業をかけて人材マッチングができれば1サイクルは完了します。
法人営業どうするかなぁなんて考えていたのですが、なんと問い合わせフォームから連絡が入りました。
どんな会社だったかというと、某有名メガベンチャーでした。
実績公開の許可は口約束程度しかもらってないので社名は明言しませんが、マネーフォワードとかが立ち上がった時期に超勢いづいていたリーガル系スタートアップで、現在は巨大企業になっています。
特にマーケ活動もしていなかったのですが、そんな企業がどこからかフクムの存在を知り、普通に問い合わせフォームからサービスを使いたいと連絡してくれたのです。
我ながらラッキーですよね。
そんなわけで、フクムのマッチング第一号は市役所勤務で法務系業務を行なっていた方を、この企業へマッチングすることになりました。
ところで現在は一部自治体では副業も解禁されており、週休3日制が導入されているそうです。
思ってたより先進的な自治体もあるようで、こうした実情もユーザーヒアリングをして生の声が聞けたからこそ得られた知見でした。
そうして、サービスリリースから2ヶ月程度でマッチング第一号を作ることができ、現在も続々とマッチング事例が作れています。
個人的な予想としては財務経理と法務が一番事例として多く作れると思っていたのですが、労務だとか情シスの需要も意外とあり、もうここらへんはサービスを走らせてみないとわからんなって思ってます。
というわけで続々とサービスは拡大できているし、最近は投資させて欲しいと相談をもらうことも増えてきました。
この事業ドメインも面白さと将来性はビビッとくる人には刺さるっぽいです。
ということで久々にメルマガを再開していくので、随時アップデートを報告していきいますね。
さて、以下は非公開情報(どうせそのうち公開されるネタだが)なので例の如く会員限定とします。
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